ハル:韓国ドラマを見てると、「ハムニダ」「セヨ」「ヨ」っていろんな語尾が出てきて混乱するんです。日本語の敬語みたいなルールがあるんでしょうか?

ジュン:いい質問だね。韓国語にも敬語「존댓말(ジョンデンマル)」という明確なルールがあって、相手との関係で話し方を変えるんだ。日本語の敬語と似ている部分も多いから、比較しながら覚えると整理しやすいよ。今日は実用的なポイントだけをまとめて紹介するね!

韓国語の敬語(존댓말)を学ぶイメージ。韓国の日常生活やドラマでよく使われる丁寧な表現を身につけよう。

そもそも敬語(ジョンデンマル)って何?タメ口との違い

韓国語には大きく分けて2つの話し方があります。

話し方 韓国語 どんな時に使う? 日本語で言うと
敬語(丁寧語) 존댓말(ジョンデンマル) 目上の人・初対面・公式の場 「です・ます」体
タメ口(非丁寧) 반말(パンマル) 親友・家族・年下・SNS 「だ・である」体

존댓말は直訳すると「押し上げ言葉」。相手を立てて話すというニュアンスです。一方の반말は「半端な言葉」という意味で、親しい間柄で使います。

日本語でも会社の上司に「そうだね」とは言わず「そうですね」と言いますよね。韓国語もまったく同じ感覚です。

なお、今回の記事では존댓말を「입니다・요」体、반말を「다・어」体として単純化して説明しています。実際にはより多くのバリエーションがありますが、初心者の方はまずこの区別を押さえれば十分です。

ヘヨ体とハムニダ体の2つの丁寧形

韓国語の敬語(존댓말)には、大きく分けて2つの丁寧な話し方があります。どちらも「丁寧」ですが、フォーマル度が違います。

種類 特徴 どんな場面で? 例:行く(가다)
해요체(ヘヨチェ) 穏やかで親しみのある丁寧さ 日常会話・友達の親・同僚 가요(カヨ)
합니다체(ハムニダチェ) 改まった正式な丁寧さ ビジネス・発表・目上の人 갑니다(カムニダ)

日本語に例えると、해요체は「行きますよ〜」という柔らかい印象、합니다체は「参ります」という硬い印象です。

旅行で韓国に行くなら、まずは해요체を覚えれば十分。でも、ビジネスや目上の人と話すときは합니다체が必要になります。

해요체(ヘヨチェ) は非格式体(비격식체)で、편안하고 부드러운 느낌の丁寧語です。友達の親や同僚との会話など、日常のほとんどの場面で使われます。

一方 합니다체(ハムニダチェ) は格式体(격식체)で、相手を最も高める正式な丁寧語です。뉴스、公式の席、軍隊、初めて会う年長者への基本的な礼儀としても使われ、「発表やビジネスに限ったもの」ではありません。

動詞を敬語にする3つのコツ

①ヘヨ体の作り方

韓国語の動詞を해요체にするのは、実はとてもシンプルです。

  1. 動詞の基本形から「다」を取る
  2. 語幹の母音によって「아요」か「어요」を付ける
  3. ハル(ㅏ・ㅗ)の母音 → 아요
  4. それ以外の母音 → 어요
基本形 語幹 母音タイプ ヘヨ体 意味
가다(行く) ㅏ(ハル) 가요 行きます
오다(来る) ㅗ(ハル) 와요 来ます
먹다(食べる) ㅓ(弱) 먹어요 食べます
읽다(読む) ㅣ(弱) 읽어요 読みます
하다(する) ㅏ(ハル) 해요 します(不規則)

「하다(する)」だけは不規則で「해요」になるので注意。これはとてもよく使う動詞なので、セットで覚えてしまいましょう。

②ハムニダ体の作り方

ハムニダ体は少し複雑ですが、パターンは決まっています。

語幹の終わり ルール
母音で終わる(가다, 보다) 語幹 + ㅂ니다 가다 → 갑니다(行きます)
ㄹで終わる(살다, 만들다) ㄹを取って + ㅂ니다 살다 → 삽니다(住みます)
子音で終わる(먹다, 읽다) 語幹 + 습니다 먹다 → 먹습니다(食べます)

日本語にはない発音ルールですが、「ㅂ니다」は「ムニダ」と発音します。文字通り「プニダ」とは読まないので注意!

③尊敬語(シ・セヨ)の使い方

日本語の「お〜になる」「〜される」に相当するのが、시(シ) という助詞です。動詞の語幹に「시」を入れるだけで尊敬の意味になります。

基本形 普通の敬語 尊敬語
가다(行く) 가요(行きます) 가세요(お行きになります)
먹다(食べる) 먹어요(食べます) 드세요(お召し上がりになります)
있다(いる) 있어요(います) 계세요(いらっしゃいます)
자다(寝る) 자요(寝ます) 주무세요(お休みになります)

特に「드세요(お召し上がりください)」と「계세요(いらっしゃいます)」は、レストランやホテルでよく耳にします。旅行中によく使うので、覚えておくといいですよ。

呼称(呼び方)の敬語ルール

韓国語では、人の呼び方にも敬語ルールがあります。日本人がよく間違えるポイントでもあるので、しっかり覚えましょう。

呼称 使い方
〜씨(ッシ) 名前の後につける「〜さん」。同僚や知り合いに 지민씨(ジミンさん)
〜님(ニム) 씨より丁寧。お客様・先生・お医者様に 사장님(社長様)、선생님(先生)
〜군(クン) 年下の男性に使うやや古風な呼び方 철수군(チョルス君)
〜양(ヤン) 年下の女性に使うやや古風な呼び方 영희양(ヨンヒ嬢)

注意ポイント: 日本語の「〜さん」は年上にも年下にも使えますが、韓国語の「〜씨」はやや距離のある丁寧な呼称で、公式な場や職場などで幅広く使われます。「目上の人には絶対に使えない」わけではなく、公的な文書や職場の同僚間などでは使われることもあります。ただし、目上の人に対しては직급(과장님=課長様、사장님=社長様)や선생님を使うほうがより一般的で無難です。

また、「韓国語は相手の名前を呼び捨てにしてはいけない」と言われますが、これも絶対的なルールではありません。親しい友人や同僚の間では名前を呼ぶこともよくあります。

敬語でよく使うフレーズ集(旅行・日常編)

最後に、実際によく使う 존댓말 フレーズをまとめました。覚えてしまえば、初めての韓国旅行でもスムーズに会話できますよ。

シーン 韓国語(해요체) 意味
挨拶 안녕하세요 こんにちは
お願い 주세요 ください
お礼 고마워요 / 감사합니다 ありがとう
質問 뭐예요? 何ですか?
確認 맞아요? 合ってますか?
了解 알았어요 わかりました
謝罪 죄송해요 すみません
注文 이거 주세요 これください
道を聞く 여기가 어디예요? ここはどこですか?

韓国語の 존댓말(敬語)、最初は「活用が多くて難しい…」と感じるかもしれません。でも日本語の敬語に比べるとルールがはっきりしていて、パターンを覚えれば応用がききます。まずは「해요체」から始めて、慣れてきたら「합니다체」にもチャレンジしてみてください。

参考リンク: 韓国語教育の公式サイト「韓国語 敬語 解説 | 国立国語院」では、より詳しい文法解説が読めます(韓国語ですが)。

다음에는韓国語の「ごめんなさい」シリーズをお届けする予定です。お楽しみに!