きなこ:さっきの4世代ガールズグループまとめ記事にRESCENEが出てきたけど、中小事務所なのになんでそんなに話題なの?

ジュン:それがね、K-POPの教科書には載ってない方法で人気を掴んだグループなんだよ。一言で説明するのが難しいくらい面白い経緯があってさ。最初から話すね。

K-POPコンサートのステージと観客の様子。RESCENEが活躍するK-POPシーンの熱気を感じさせる一枚。

RESCENEってどんなグループ?

RESCENE(リセンヌ)は2024年にデビューした韓国の5人組ガールズグループです。メンバーはウォニ、リブ、ミナミ、メイ、ゼナの5人。所属事務所は「The Muze Entertainment」という、RESCENEが初のアイドルグループとなる新興の中小レーベルです。

グループ名「RESCENE」は「RE(再び)」「SCENE(場面)」「SCENT(香り)」を組み合わせた造語。「香りで過去の場面を再び呼び起こす」という心理学的現象プルースト効果(Proust Effect)をコンセプトの核に置き、アルバムごとに異なる"香り"を音楽で表現するという独自の世界観を持っています。

デビューからの歩み

時期 リリース作品 タイトル曲
2024年3月 シングル1集『Re:Scene』 UhUh
2024年8月 ミニ1集『SCENEDROME』 LOVE ATTACK / Pinball
2025年2月 ミニ2集『Glow Up』 Glow Up
2025年11月 ミニ3集『lip bomb』 Heart Drop / Bloom
2026年4月 デジタルシングル Runaway
2026年7月8日 スペシャルシングル Pretty Girl

大型事務所の後押しも大型番組への出演もない中、コツコツとリリースを重ねてきた2年間でした。それが2026年、突然大きく動き出します。

すべては「アンウォンジャルブ」から始まった

2026年の転機は、リーダー・ウォニが個人で運営するYouTubeチャンネルの爆発的バズりです。

チャンネル名は韓国語で「アンニョンハセヨ ウォニイムニダ ジャル ブタクドゥリムニダ」、略して「アンウォンジャルブ(안원잘부)」。直訳すると「こんにちは、ウォニです。よろしくお願いします」という意味の、ウォニが個人で運営する日常コンテンツチャンネルです。

練習生時代から積み上げてきたリアルなキャラクターと、メンバーとの自然なやりとりが徐々にファンの間で話題になっていました。そして2026年春、このチャンネルに投稿されたある動画の中の一言が、K-POPファンのSNSを震撼させます。

「コジェ・ヤッホー」—— K-POPを変えた一言

ウォニの故郷は韓国南部の港町・コジェ(巨済)。コンテンツ内で自分の地元への愛着を語り続けていたウォニの影響で、メンバーのミナミもコジェを訪れる企画が実現します。その映像内でミナミが感極まって叫んだのが、

「コジェ・ヤッホー!(韓国語:거제 야호)」

コジェは地名、ヤッホーは日本語と同じく「ヤッホー!」という意味の感嘆詞です。この一言がSNSで切り抜かれてミームとして爆発。「RESCENEの『コジェ・ヤッホー』見た?」という口コミが韓国のコミュニティサイトやX(旧Twitter)、TikTokで連鎖的に広がり、RESCENEを知らなかった人たちがチャンネルに流れ込む現象が起きました。

その結果、2024年リリースの楽曲「LOVE ATTACK」に突然再生数が集中。逆走ヒット(韓国語でヨクジュヘン:一度リリースされた曲が時間を経てヒットする現象)が発生し、ストリーミングチャートへの再ランクインを果たしました。

きなこ:音楽より先にキャラクターが広まったってこと?

ジュン:そうそう。普通はまず曲があって、それを聴いてグループを好きになるでしょ。RESCENEの場合は、まず"人"を好きになって、そこから音楽に辿り着くという順番が逆だった。これが大型事務所のプロモーション戦略と一番違うところだよ。

「コジェ・ヤッホー」が現実を動かした

SNSでのバズりは、リアルな世界まで動かしました。

2026年5月22日、RESCENEのメンバー全員がコジェ市(巨済市)の公式広報大使に任命されます。市側がSNSの盛り上がりを受けて正式にオファーした形で、「たった一言で市が宣伝されている」と話題になった案件が現実になりました。

さらにその後、韓国人メンバー全員がそれぞれの出身地の市の広報大使に就任。

メンバー 出身地
ウォニ → コジェ市(巨済市)
メイ → スウォン市(水原市)
ゼナ → キョンジュ市(慶州市)
リブ → コヤン市(高陽市)

メンバー全員が自分の故郷の代表顔になるという異例の展開となりました。同月には韓国の文化体育観光部が選定する中小事務所グループ10選の海外進出支援事業にも選ばれ、公式資料でRESCENEが最初に名指しされました。

2026年7月8日「Pretty Girl」カムバック

こうした大きな流れの中でリリースされたのが、スペシャルシングル「Pretty Girl」です。

これは韓国の伝説的ガールズグループKARAの代表曲のリメイクカバー。KARAは2007年から活動した韓流ブームの象徴的なグループで、日本でも「ミスター」「ルーレット」などで絶大な人気を誇った存在です。日本のファンにも馴染みのある名前ではないでしょうか。

なぜKARAの「Pretty Girl」を選んだのか。RESCENEのコンセプトである「音楽で記憶を呼び起こす」という世界観と、「懐かしい曲を新しい世代が再解釈する」という行為が完璧に重なります。往年のK-POPファンにはKARAへのオマージュとして、新しいファンにはRESCENEの音楽性を知るきっかけとして機能する、コンセプト的に深みのある選曲でした。

カムバック記念ライブは「アンウォンジャルブ」のYouTubeチャンネル、RESCENE公式チャンネル、韓国のライブ配信サービス「チジク(치지직)」の3プラットフォームで同時配信され、合算同時接続視聴者数4万2千人以上を記録しました。

なぜRESCENEはここまで注目されるのか

きなこ:でも大手のaespaとかと比べたら、まだ規模的には全然違うよね?なんでこんなに話題になるの?

ジュン:数字じゃなくて"やり方"が注目されてるんだよ。K-POPの業界的には、RESCENEの人気の広がり方がこれまでの常識と全然違うから。

RESCENEが業界に与えているインパクトは大きく3点です。

1. 「人」から「音楽」へという逆順の流入

通常のK-POPアイドルは楽曲・MVでファンを獲得します。RESCENEは個人YouTubeチャンネルでの日常コンテンツ→キャラクターへの共感→楽曲という順番でファンを獲得しました。音楽より先にアイドルの"人間性"に惚れ込ませる手法です。

2. 大型投資ゼロでの口コミ拡散

大手事務所のように大型テレビ番組、大量の広告費、海外プロモーションに頼らず、ファンが自発的にSNSで拡散するコンテンツを作り続けた結果として人気が生まれました。ファン主導で「この子たちを広めたい」という熱量が高いのが特徴です。

3. 故郷愛というオリジナルのストーリー

「コジェ・ヤッホー」のエピソードに象徴されるように、「地元を愛するアイドル」というストーリーが一般層にまで広がりやすいコンテンツとして機能しました。K-POPアイドルが出身地をここまでキャラクターに組み込んだ例は珍しく、差別化に成功しています。

代表曲ガイド

  • 「LOVE ATTACK」(2024年・ミニ1集収録)— 2026年に逆走ヒットを果たした代表曲。まずはここから聴いてみてください。
  • 「Glow Up」(2025年・ミニ2集タイトル)— 石鹸の香りをコンセプトにしたさわやかなポップチューン。「クリーン&フレッシュ」な雰囲気が魅力。
  • 「Heart Drop」(2025年・ミニ3集収録)— 繊細なボーカルアレンジと感情的な歌詞が評価された、2025年下半期の代表曲。
  • 「Pretty Girl」(2026年7月)— KARAカバーリメイク。グループのコンセプトと最も美しく重なる一曲。

日本のファンへ

RESCENEはまだ日本では知名度が限られていますが、日本のK-POPファンにも刺さりやすい要素がいくつかあります。

まずKARAとの接点。「Pretty Girl」カバーをきっかけに、KARAのファンだった層がRESCENEに興味を持つ動線が自然に生まれています。

また、過度な演出のない素のキャラクターを前面に出したコンテンツスタイルは、日本のアイドルファンにも親しみやすい空気感があります。大型プロデュースより"人"を見せるスタイルは、日本のアイドル文化とも共鳴する部分があります。

日本語での情報がまだ少ない今こそ、知っておきたいグループです。

きなこ:「コジェ・ヤッホー」、もう頭に残っちゃった(笑)今すぐアンウォンジャルブ見てみる!

ジュン:沼に落ちる準備はいい?(笑)まず「LOVE ATTACK」から聴いてみて。逆走した理由がすぐわかると思うよ。

公式リンク

  • RESCENE 公式YouTube → 「RESCENE」で検索
  • アンウォンジャルブ(ウォニ個人チャンネル) → 「안원잘부」で検索
  • LOVE ATTACK MV → YouTubeで「RESCENE LOVE ATTACK」で検索

📌 本記事の情報は2026年7月時点のものです。最新の活動情報はRESCENE公式SNSでご確認ください。